日別アーカイブ: 2010/06/20

浜名湖でのボート転覆死亡事故について思うこと

浜名湖でカッターボートの体験訓練中にボートが転覆する事故があって、お亡くなりになる方が出てしまいました。

報道では天候不順の中で強行した結果の事故とのことで、インストラクターもいたとのこと(事故になったボートには同乗していなかったようですが)。

スクーバダイビングのライセンス(インストラクターではないです)を持っているので、水にまつわる事故には考える事がいろいろと。。。

体験、というのは、正規の訓練を受けるのと違って、時間的な制約なども多くて、体験を受ける人に危険を避けるための情報を教え込む(それも身をもって体験して)のがなおざりにされがちになっているのではないかと思います(それはスクーバダイビングでも)。それだけに、インストラクターのほうでは、体験訓練を開催する場所、そのときの天候、事故が起きてしまった際の救助手順、人数の確認手順、各種連絡先などについて、入念な準備と配慮が必要になってくると思います。

自分自身、いままでいろいろな事故(軽いものからちょっと危なかったなというものまで)を経験してます。

バディ(ダイビングをするときには、最低二人一組のペアを形成します)が近くにいるから大丈夫だなと思っていたら、二人してインストラクターからはぐれていた。。。とか(笑)。

某島に行ったときに、台風からのうねりでちょっと波が高くなっていて、エキジット(海から上がること)直前に、近くにいた人が波にさらわれて手をばたつかせながら流され来て、レギュレーター(空気を吸うために口にくわえる器具)に繋がっているホースを思いっきり引っ掛けてくれて、レギュレーターが口から外れて飛んでいった(自分も巻き込まれて転がった)。。。とか(苦笑)

どちらもパニックになったら命に関わることも起こり得る事故ですけど、最初のオープンウォーターのライセンスから、その後のライセンスアップの時々にも、そういうときの対処について、叩き込まれていたので冷静に対応できました(後者については、その相手を心の中で罵りながら(笑))。ちなみに引率したインストラクターは、「全員の技量を把握していて(実際全員見知った人たちで、そういう人に声をかけてツアーを組んでいた)、この人たちなら行けると思っていたけど、最後はちょっとビビッていた」とか(笑)。

これらの危険への対処方法の獲得は、ダイビングの指導団体から発行される指導指針、教科書等で厳しく!厳守が求められているものです(それでも、毎年事故で亡くなる人がいるのが現状ですが)。

今回の事故で気なるのは、カッターボートのインストラクター資格の取得の際に、このような安全面の教育がどのように図られているのかということ。ちょっと調べてみたんですけど、めぼしい資料は見つかりませんでした。

波やうねりは水深が浅くなるほどに波高が高くなって、それに伴ってぶつかったときの力(破壊力)も大きくなります。今回の例では、浅瀬に向かうほど危険が増すということ。曳航した人や、周囲にいたインストラクターは、そのことを理解していたのでしょうか。

この事故を契機に、このような悲しい事故が起こらないような体制作りが進むことを願ってやみません。

最後に、お亡くなりになった方のご冥福をお祈りいたします。